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休みの日も地元でゆっくり。西宮の週末の過ごし方を紹介します。

 灘五郷の一番東、今津郷のシンボルといえば今津灯台や今津小学校の六角堂が思い浮かびますが、空に大きく掲げられた「大関」の看板も立派なシンボルです。そんな大関さんの酒蔵が今回の「にしのみや日本酒学校」のキャンパスです。

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今津郷のシンボル「大関」



 今回の講義名は「大関きき酒道場」。道場という響きにもビビりますが、きき酒というのもどうも自信がありません。さりとて如何で退かぬ、勇気みなぎる。


 こうすけ      「頼もう!」

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勇気をだして「頼もう!」



 しかし、おっかない道場主や師範代の姿はなく、あるのは「エレベーターで四階までお上がりください」との張り紙であります。

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四階に行けばいいのですね。



 張り紙の案内に従いエレベーターの前に立つと、ムムムッ。なんと「省エネと健康のため1日1回は階段を使用しませんか!!」とのメッセージが。はやくも試されているのかもしれませぬ。ということで隣りの階段を昇ります。

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はやくも試されているのかもしれませぬ。



 心臓をドキドキさせながら階段を上がります。92段で四階に到着です。そこには、これを6日続ければ東京タワー、半年続ければ白山に至ることや、その他ありがたい効能を謳った張り紙があります。なかなかユニークな会社ですこと。

 そして受付、出席簿の名前に出席の印をつけてもらい教室に入ります。優しそうな先生方ばかりで、一階で抱いた道場主や師範代のイメージは消えてなくなりました。机には本日のレジュメが整然と並べられており、早くから登校した学生は早速予習を始めております。私の方はドキドキを静めるためにただボーッとしているだけです。

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これが本日のレジュメ。



 時間になり授業がはじまります。最初は映像学習です。大関さんの歴史やら酒造りの技や心が紹介されます。その中で印象に残ったのは、

 ①昔から「大関」だったのではなく、江戸時代には「万両」という銘柄であったこと。
 
 ②それ以上高みには上がれない「横綱」ではなく、まだ伸びる可能性があるという意味が「大関」という名に込められていること。

 ③「魁の精神」という会社のモットーがあること。

 などなど。大関で魁といえば魁皇関だなぁなどと全く的外れな空想を巡らしましたが、おそらく学生の8割も同じ空想をしていたはずです。されどもそのことを誰も言葉にすることはありません。

 また、「ワンカップ大関」というお馴染みの商品は1日に45万本を製造できるそうです。大関さんがその気になりゃ、約1日で西宮全市民に「ワンカップ大関」が供給可能になる計算で、その生産力たるや頼もしい限りです。

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大関魁皇を思い出しましたよ。



 映像学習のあとは本日のメインと思われるきき酒の試験です。机には10本の小さな瓶と試飲カップ、ミネラルウォーター、それと解答用紙が並べられています。緊張で心臓がドキドキしてきます。

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さぁ、いよいよきき酒の試験です。



 最初に先生がきき酒のポイントやコツなどを教えてくれます。いわば「傾向と対策」と言ったところでしょうか、よくよく聴いておきましょう。受験生が聞いたら烈火のごとく怒りそうですが、私の気持ちは〇〇年前のセンター試験前のようです。あぁ、ドキドキが高鳴る。

 試験問題は、第1問 酒のアルコール濃淡(度数)に関する並べ替え<3点>、第2問 酒の甘辛度に関する並べ替え<3点>、第3問 酒の種類の違い(大吟醸酒、純米酒、本醸造酒、樽酒)のみきわめ<4点>の10点満点です。

 教えられた通り感覚を研ぎ澄ませて試験に挑みます。舌先で感じるためだけに口に含んだ酒を捨てる容器も用意されているのですが、お行儀悪いと感じたからか、もったいないと感じたからか使うことはありません。

 実際に飲み比べすることで、酒の種類の違いに関してはなんとなく分かったのですが、アルコール度数や甘辛度はさっぱり分かりません。こうなりゃ当てずっぽだ!第六感を駆使し解答用紙の空欄を埋めます。この大胆な行動は〇〇年前のあの時となんら変わりありません。

 同じテーブルには私の他に二人の女性が同じ試験に挑んでおります。あぁでもない、こうでもないと試験を愉しんでおられます。そうだそうだ、試験なんて愉しむくらいじゃないとだめなんだ。自分に言い聞かせますが、こんなこと受験生に聞かれたらストレートパンチを頂戴しそうです。(ガンバレ受験生!)

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計3問、10点満点の大関きき酒道場の試験。



 試験が終わり採点の間に学生一同は酒造りに関しての講義を受講します。白鷹さん、白鹿さんに続き3回目の講義なので内容は高度になってきます。文系の私には難しい面もあるのですが、最初に配られたレジュメを睨みつつ先生の真摯な説明を集中して聴きます。

 単式発酵(例 ワイン)、単行複式発酵(例 ビール)、並行複式発酵(例 日本酒)などかなり専門的な内容もあるのですが、発酵の仕組みを人間がご飯を食べることに例えるなど先生の講義は学生を飽きさせません。

 また、酵母菌を培養した酒母の研究開発が大関総合研究所で行われているとの話がありました。伝統に支えられた産業でありながら、常に最先端を開拓する企業の姿勢(これを「魁の精神」というのでしょう)は郷土の誇りだと強く感じます。

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かなり専門的なことも学びましたよ。



 講義が終わりました。採点も終わったようです。

 ドキドキ ドキドキ ドキドキ!!

 まずは正答発表から。

 ジャジャ~ン!!私こうすけの試験結果。

 第1問 1点
 第2問 1点
 第3問 4点

 計6点!!!

 第3問の酒の種類に関しては満点だったのですが、第1問のアルコール濃度、第2問の甘辛度に関して第六感はあまり働かなかったようです。

 30名の学生のうち全問正解という優等生が3名。おめでとう!その首席3名が一級に、その次に高得点の9名が二級、残る18名が三級に認定されました。私こうすけは見事?三級に認定されました。

 三級といえば三球。「地下鉄の電車はどこから入れたのかしら?それを考えると夜も寝られないの。」と言っていた漫才コンビ春日三球・照代の三球さんを思い出します。おそらく三級に認定された学生の8割も同じことを思い出したはずです。されどもそのことを誰も言葉にすることはありません。

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優秀な成績を収め見事三級に認定!?



 こうして本日の授業は全て終わりました。同じテーブルで試験を受けた女性二人組が「私達も残念でした。」と丁寧に挨拶をして下校していきます。でもその顔は晴れやかな笑顔です。いいじゃないですか、それ以上高みには上がれない「一級」よりも、「三級」はまだ伸びる可能性があるんです。酒饅頭のお土産を戴いて私もキャンパスをあとにします。

 学校の帰り道、一寸寄り道をします。

 かつて「万両」という名の酒を江戸へと出荷していた今津港。今ではここから酒を出荷することはありませんが、数々の船を見守り続けた今津灯台はここに健在で、静かに潮風と戯れています。かつての港の賑わいや船が水平線の彼方に小さくなっていく様を灯台を通して想像してみると、これまでドキドキの連続だった心がなんだかジーンとなります。

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かつての今津港の賑わいを灯台を通して想像します。




就職試験も第六感で乗り切ろう!
就活も真剣に取り組まないといけませんが、愉しむくらいの心の余裕も持ってくださいね。
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# by nishinomiyacci | 2016-02-01 23:16