昨年(平成27年)10月3日、「西宮酒ぐらルネサンス」のメイン会場として賑わう西宮神社の一角の西宮神社会館にて「にしのみや日本酒学校」の入学式(開校式)が行われたのでした。大志を抱き入学し、白鷹さん、白鹿さん、大関さん、日本盛さんと4つの蔵元をキャンパスに計4回の講義を受講し、今日卒業式(修了式)を迎えることとなった我等第3期生は、晴れ晴れした顔で会場である白鹿さんの宜春苑に集うのであります。

卒業式(修了式)の会場、白鹿さんの宜春苑。
席に着くとそこには本日の式次第とともに何やら意味深な解答用紙が一枚あります。どこからどうみてもこれは利き酒のテストのようです。式次第を見れば、どうやら修了証書の授与式のあとにある懇親会でテストは行われるようです。ということは卒業試験ではないはず、ほっと一安心です。

本日の式次第と意味深な解答用紙。
また、同時に酒造り唄の歌詞を印刷した紙も配られております。ひょっとしたら歌う機会もあるかも知れぬとそっとのど飴を口に入れます。

酒造り唄歌詞カード。
定刻となり卒業式は厳かに始まります。来賓紹介に始まり、続いては辰馬校長先生のご挨拶です。校長先生は「酒造り唄を以って本校の校歌となす。」と力強く述べられます。酒造り唄は、いわゆる労働歌な訳でして、北海道の漁師が♪ソーラン ソーラン♪と歌い網を引き、ラップランドの漁師が♪アチャパチャノーチャ アチャパチャノーチャ♪と歌い舟を漕ぎ、オランダの婦人が♪サラスポンダ サラスポンダ サラスポンダ レッセッセ♪と歌って糸を紡いだのも同じく労働歌の系譜です。
思えば私こうすけが社会人1年生の時、大量の書類をコピーをするよう命じられたことがあったのでした。単調で退屈な作業だったので、ご機嫌に歌を歌っていたところ、
係長 「コラァ!職場をなめとんのかぁ!!」
と雷が落ちたのでありました。
新人サラリーマンこうすけ 「これは労働歌と呼ばれるものなんです。」
係長 「都はるみの『大阪しぐれ』のどこが労働歌なんや!」
まぁ、たしかに仰るのもごもっとも。
♪ ハァ~ッ!コピー機たしかに重いんだけどぉ~コピーの責任なお重い~ ソレ! 無情な紙詰まりに、涙がポロリ~ ヨッコイショ!ヨッコイショ ♪
こういう歌なら労働歌として認められたんだろうなと思ったものでした。
閑話休題、校長先生の話しでは、酒造りの唄には作業の時間を計る役割や眠気覚ましの役割があるそうです。また、唄はCDやテープに頼らず保存会のメンバーにより生身の声とそれを聞く耳によって伝承されているそうです。そこで保存会のメンバーが登場、校長先生の歌いだしに続き、朗々とした声により「桶洗い唄」が披露されます。続いて「もとすり唄」「三本かい」と、かつて西宮の蔵元のあちらこちらで響いたであろう歌が響きます。これがふるさとの歌かぁ、心が熱くなります。

保存会のみなさんによる酒造り唄の熱唱。
その後「食べる幸せ・飲む喜び」という題の講話が始まります。お話いただくのはテレビでもおなじみのフードコラムニストの門上武司先生です。
食べることは喜びにつながり、それができるのは人間だけである。なので食を愉しむというのは人間らしさを高めることになる。
また、食を文化として捉えることが大切である。そしてその振興をもっと図る必要がある。
というような話が軽妙な語り口によって実に興味深く語られます。学生一同もノートを取ったりしつつ真剣に講話を聞いております。

フードコラムニスト門上武司先生の素敵な講話。
素敵な講話が終わり修了証書の授与式となります。卒業生一同の名前が順次読み上げられ順に起立していきます。全員の名前が呼ばれたあと、1月の大関さんでの利き酒テストで見事1級を取得した首席の3名が代表となり、校長先生より修了証書を授与されました。あたたかい拍手が宜春苑に響きます。
3級だった私も修了証書をいただきました。ホタルイカの沖漬けを肴に、雪景色の旅番組を見ながら飲んだことが思い出されます。蛍雪の功が認められたかと思えば涙がこみ上げてきます。

♪ 思えばいと疾し この年月 ♪
さて、卒業祝賀の懇親会が始まります。その前にこれまでの学習成果を試すべく利き酒テストです。キャンパスとなった4つ蔵元の本醸造酒を飲み比べて当てるというもの。ヒントも与えられるのですが、聞いても理解できないし、飲んでも分からないし、ほとほと困ってしまいます。えぃ!こうなりゃあみだくじだ!そそくさと作成に取りかかります。同じテーブルの同級生にもご協力いただきあみだくじは完成。「人事を尽くして天命を待つ」とはこのことなり。

人事を尽くして天命を待つ!
そして正解発表。1番ーD、2番ーB、3番ーC、4番ーA。
こうすけ、全滅。
このテストで全問正解した優秀なる学生は3名おりまして、うち1名のお兄さんは同じテーブルの仲間で、先に校長先生から直々に修了証書を受け取った1級保持者でもあります。彼は日本酒学校のテストを全て満点でパスした唯一の秀才であります。スゴイ!彼に対して大きな拍手が送られます。
ただそんな優秀な学生も私のような落ちこぼれも同じテーブルで愉しく懇親できるのが、にしのみや日本酒学校の良き学風なのであります。焼鯖寿司、玉子焼き、ざる豆腐、地元西宮自慢の逸品も並び愉しい懇親会のはじまりはじまり。
あんなこんなの話で盛り上がっておりますと、向かいに座る一人の同級生が私に質問します。
同級生 「こうすけさんは、写真を撮ったり、メモを取ったりされてますが、ひょっとしてライターですか?」
こうすけ 「えっ?」
ここで少しばかり酔っている私の脳裏にある答えがよぎります。
こうすけ 「ライターではなくてマッチです。ギンギラギンにさりげなく生きるだけです。」
そんな風に答えたならば、さめたしぐさで冷たく見られるのがオチです。いかん、いかん。
こうすけ 「ライターじゃないですよ。一介のサラリーマンです。」
こうして親父ギャグで大すべりする悲惨な事態は回避されました。その後も同じテーブルのメンバーとの愉しい語らいが続きます。こうやって同期生になったのも何かのご縁、どこかの居酒屋で再会した時は遠慮なく声を掛け合いましょうと友情が深まります。
♪ 貴様と俺とは~ 同期の桜~
同じ日本酒学校の庭に咲く~ ♪
夙川の桜はまだ固い蕾ですが、ひと足早く美しい桜が咲きました。

西宮の逸品を肴に、西宮の酒で愉しい懇親会。
愉しい時間はあっという間に過ぎていくもので、閉会の時間となります。閉会に際してこの「にしのみや日本酒学校」の主催者であります西宮日本酒振興連絡会の西川会長からお言葉があります。
会長はマイクの前に立たれ、家での晩酌では3合、外で飲む時は5合は日本酒を飲んでおり、1年間で一升瓶にして150本はあけていると飄々と語られます。ス、ス、スゴイ!!さすが会長!!ギンギラギンにさりげないのはまさに会長であります。
会長は「10月1日は日本酒の日で、全国的に日本酒で乾杯しようというイベントが行われます。兵庫県においては昨年は姫路でそのイベントがございました。本年の10月1日は暦にも恵まれ土曜日にあたります。ちょうど西宮神社にて『西宮酒ぐらルネサンスと食フェア』が行われる予定です。是非、西宮神社で乾杯をしたいものです。」と述べられ挨拶を締めくくられます。
ここに集うみんなが賛同して大きな拍手が巻き起こります。
こうして、第3期の「にしのみや日本酒学校」は幕を下ろしました。
私自身大変貴重な経験をさせていただき感謝感謝です。日本酒のことを学ぶことによって、ふるさと西宮のことを益々誇りに思うようになりました。このあとは卒業生として恥じない酒ライフを実践しなければいけませんね。ということで、昨年10月より6回に渡ってシリーズとしてお伝えした「こうすけの にしのみや日本酒学校」もおしまいです。やはり、学ぶって素晴らしい!そして学ぶ機会というのは何も学生だけに与えられるものでなくて、社会人になったって充分見いだせるものなんですよ。それに、私たちの西宮は、そういう学ぶ機会がいろいろ用意されている魅力的な街であります。
えべっさんに卒業の報告をすべく西宮神社に向かいます。10月になればここは「西宮酒ぐらルネサンスと食フェア」の会場となり多くの市民の笑顔が溢れることになるのでしょう。その光景を想像すると澄み渡る空に響いていく声が聞こえてきそうです。
「日本酒で乾杯!」と。

10月にはここで「日本酒で乾杯!」の声が響きます。
社会人になっても愉しい学ぶ場に溢れる西宮での就職を考える学生諸君!
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卒業式(修了式)の会場、白鹿さんの宜春苑。
席に着くとそこには本日の式次第とともに何やら意味深な解答用紙が一枚あります。どこからどうみてもこれは利き酒のテストのようです。式次第を見れば、どうやら修了証書の授与式のあとにある懇親会でテストは行われるようです。ということは卒業試験ではないはず、ほっと一安心です。

本日の式次第と意味深な解答用紙。
また、同時に酒造り唄の歌詞を印刷した紙も配られております。ひょっとしたら歌う機会もあるかも知れぬとそっとのど飴を口に入れます。

酒造り唄歌詞カード。
定刻となり卒業式は厳かに始まります。来賓紹介に始まり、続いては辰馬校長先生のご挨拶です。校長先生は「酒造り唄を以って本校の校歌となす。」と力強く述べられます。酒造り唄は、いわゆる労働歌な訳でして、北海道の漁師が♪ソーラン ソーラン♪と歌い網を引き、ラップランドの漁師が♪アチャパチャノーチャ アチャパチャノーチャ♪と歌い舟を漕ぎ、オランダの婦人が♪サラスポンダ サラスポンダ サラスポンダ レッセッセ♪と歌って糸を紡いだのも同じく労働歌の系譜です。
思えば私こうすけが社会人1年生の時、大量の書類をコピーをするよう命じられたことがあったのでした。単調で退屈な作業だったので、ご機嫌に歌を歌っていたところ、
係長 「コラァ!職場をなめとんのかぁ!!」
と雷が落ちたのでありました。
新人サラリーマンこうすけ 「これは労働歌と呼ばれるものなんです。」
係長 「都はるみの『大阪しぐれ』のどこが労働歌なんや!」
まぁ、たしかに仰るのもごもっとも。
♪ ハァ~ッ!コピー機たしかに重いんだけどぉ~コピーの責任なお重い~ ソレ! 無情な紙詰まりに、涙がポロリ~ ヨッコイショ!ヨッコイショ ♪
こういう歌なら労働歌として認められたんだろうなと思ったものでした。
閑話休題、校長先生の話しでは、酒造りの唄には作業の時間を計る役割や眠気覚ましの役割があるそうです。また、唄はCDやテープに頼らず保存会のメンバーにより生身の声とそれを聞く耳によって伝承されているそうです。そこで保存会のメンバーが登場、校長先生の歌いだしに続き、朗々とした声により「桶洗い唄」が披露されます。続いて「もとすり唄」「三本かい」と、かつて西宮の蔵元のあちらこちらで響いたであろう歌が響きます。これがふるさとの歌かぁ、心が熱くなります。

保存会のみなさんによる酒造り唄の熱唱。
その後「食べる幸せ・飲む喜び」という題の講話が始まります。お話いただくのはテレビでもおなじみのフードコラムニストの門上武司先生です。
食べることは喜びにつながり、それができるのは人間だけである。なので食を愉しむというのは人間らしさを高めることになる。
また、食を文化として捉えることが大切である。そしてその振興をもっと図る必要がある。
というような話が軽妙な語り口によって実に興味深く語られます。学生一同もノートを取ったりしつつ真剣に講話を聞いております。

フードコラムニスト門上武司先生の素敵な講話。
素敵な講話が終わり修了証書の授与式となります。卒業生一同の名前が順次読み上げられ順に起立していきます。全員の名前が呼ばれたあと、1月の大関さんでの利き酒テストで見事1級を取得した首席の3名が代表となり、校長先生より修了証書を授与されました。あたたかい拍手が宜春苑に響きます。
3級だった私も修了証書をいただきました。ホタルイカの沖漬けを肴に、雪景色の旅番組を見ながら飲んだことが思い出されます。蛍雪の功が認められたかと思えば涙がこみ上げてきます。

♪ 思えばいと疾し この年月 ♪
さて、卒業祝賀の懇親会が始まります。その前にこれまでの学習成果を試すべく利き酒テストです。キャンパスとなった4つ蔵元の本醸造酒を飲み比べて当てるというもの。ヒントも与えられるのですが、聞いても理解できないし、飲んでも分からないし、ほとほと困ってしまいます。えぃ!こうなりゃあみだくじだ!そそくさと作成に取りかかります。同じテーブルの同級生にもご協力いただきあみだくじは完成。「人事を尽くして天命を待つ」とはこのことなり。

人事を尽くして天命を待つ!
そして正解発表。1番ーD、2番ーB、3番ーC、4番ーA。
こうすけ、全滅。
このテストで全問正解した優秀なる学生は3名おりまして、うち1名のお兄さんは同じテーブルの仲間で、先に校長先生から直々に修了証書を受け取った1級保持者でもあります。彼は日本酒学校のテストを全て満点でパスした唯一の秀才であります。スゴイ!彼に対して大きな拍手が送られます。
ただそんな優秀な学生も私のような落ちこぼれも同じテーブルで愉しく懇親できるのが、にしのみや日本酒学校の良き学風なのであります。焼鯖寿司、玉子焼き、ざる豆腐、地元西宮自慢の逸品も並び愉しい懇親会のはじまりはじまり。
あんなこんなの話で盛り上がっておりますと、向かいに座る一人の同級生が私に質問します。
同級生 「こうすけさんは、写真を撮ったり、メモを取ったりされてますが、ひょっとしてライターですか?」
こうすけ 「えっ?」
ここで少しばかり酔っている私の脳裏にある答えがよぎります。
こうすけ 「ライターではなくてマッチです。ギンギラギンにさりげなく生きるだけです。」
そんな風に答えたならば、さめたしぐさで冷たく見られるのがオチです。いかん、いかん。
こうすけ 「ライターじゃないですよ。一介のサラリーマンです。」
こうして親父ギャグで大すべりする悲惨な事態は回避されました。その後も同じテーブルのメンバーとの愉しい語らいが続きます。こうやって同期生になったのも何かのご縁、どこかの居酒屋で再会した時は遠慮なく声を掛け合いましょうと友情が深まります。
♪ 貴様と俺とは~ 同期の桜~
同じ日本酒学校の庭に咲く~ ♪
夙川の桜はまだ固い蕾ですが、ひと足早く美しい桜が咲きました。

西宮の逸品を肴に、西宮の酒で愉しい懇親会。
愉しい時間はあっという間に過ぎていくもので、閉会の時間となります。閉会に際してこの「にしのみや日本酒学校」の主催者であります西宮日本酒振興連絡会の西川会長からお言葉があります。
会長はマイクの前に立たれ、家での晩酌では3合、外で飲む時は5合は日本酒を飲んでおり、1年間で一升瓶にして150本はあけていると飄々と語られます。ス、ス、スゴイ!!さすが会長!!ギンギラギンにさりげないのはまさに会長であります。
会長は「10月1日は日本酒の日で、全国的に日本酒で乾杯しようというイベントが行われます。兵庫県においては昨年は姫路でそのイベントがございました。本年の10月1日は暦にも恵まれ土曜日にあたります。ちょうど西宮神社にて『西宮酒ぐらルネサンスと食フェア』が行われる予定です。是非、西宮神社で乾杯をしたいものです。」と述べられ挨拶を締めくくられます。
ここに集うみんなが賛同して大きな拍手が巻き起こります。
こうして、第3期の「にしのみや日本酒学校」は幕を下ろしました。
私自身大変貴重な経験をさせていただき感謝感謝です。日本酒のことを学ぶことによって、ふるさと西宮のことを益々誇りに思うようになりました。このあとは卒業生として恥じない酒ライフを実践しなければいけませんね。ということで、昨年10月より6回に渡ってシリーズとしてお伝えした「こうすけの にしのみや日本酒学校」もおしまいです。やはり、学ぶって素晴らしい!そして学ぶ機会というのは何も学生だけに与えられるものでなくて、社会人になったって充分見いだせるものなんですよ。それに、私たちの西宮は、そういう学ぶ機会がいろいろ用意されている魅力的な街であります。
えべっさんに卒業の報告をすべく西宮神社に向かいます。10月になればここは「西宮酒ぐらルネサンスと食フェア」の会場となり多くの市民の笑顔が溢れることになるのでしょう。その光景を想像すると澄み渡る空に響いていく声が聞こえてきそうです。
「日本酒で乾杯!」と。

10月にはここで「日本酒で乾杯!」の声が響きます。
社会人になっても愉しい学ぶ場に溢れる西宮での就職を考える学生諸君!
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by nishinomiyacci
| 2016-03-02 21:56