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休みの日も地元でゆっくり。西宮の週末の過ごし方を紹介します。

 「にしのみや日本酒学校」で学んだ成果を春のお花見で発揮しますと、お腹はみるみる突き出てゆくのであります。

 白いTシャツを着るとまるで初代新幹線0系のごとし。こりゃ少々まずかろう、少し山歩きでもするかと甲山の麓に向かいます。

 駿河の国と甲斐の国が富士の表をめぐって相譲らないのはよく聞く話ですが、甲山の表裏についてはなんの議論もないでしょう。つまり南側が表で、甲山大師こと神呪寺や北山貯水池が甲山の表の表情であります。北山貯水池の湖畔の桜の花々は風に揺らされて、幻想的な花吹雪となって舞います。舞い終えた花びらは草の上にまどろみ始めます。その色彩の美しいこと。

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美しい色彩。北山貯水池湖畔にて。



 貯水池から道を挟んで甲山自然観察池と公園がありまして、春に誘われた人たちがお弁当を食べたりめいめいの時間を過ごしています。どこかの誰かのように大酒をあおる0系新幹線のような不届き者の姿はありません。うんうん、健全な公園の姿なり。

 さて、今日は普段あまりなじみのない甲山の裏を歩いてみましょうか。あまり脚光を浴びることのないそんな裏がなんだか不憫にも思えて、その麓を少し探検してみようという訳。右は甲山山頂、左はキャンプ場・甲山自然の家という道標を見て、左の道を選択します。右の山頂への道は階段が続いています。裏が不憫に思えて左に行くのですよ!決して0系新幹線は急勾配に弱いから山頂への道を避けた訳じゃないんですよ。あしからず。

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キャンプ場・甲山自然の家方面へ。



 最初に急な坂道を少し下ると道はゆるやかになります。途中シダが群生する熱帯のジャングルのような箇所やヒノキが整然と植林された箇所もあり変化にとみます。ところどころに木の名前を教えてくれる札などがあり、楽しみながら歩くことができます。また、迷いそうな箇所には道標があって安心です。

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甲山の裏の散策路。



 途中でサラサラと瀬の音が聞こえてきます。それは仁川の流れで、散策路は仁川の右岸をつたっていきます。

 甲山の裏は表とは全く異なる表情をみせます。特に象徴的なものはないのですが、自然がほぼありのままに残されており、なんだか意外な甲山の懐の大きさを感じさせてくれます。

 そして、ある方向から見るだけではいかんぞ、違った方向からの見方もあるんだよと甲山が語るようです。

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仁川の瀬の音を聞きながら。



 甲山自然観察池のある公園からゆっくり歩いて20分弱、西宮市立甲山キャンプ場に至ります。カレーライスの美味しそうな香りが漂います。キャンプ場の周辺にはツツジの花が咲き競っています。なにも桜だけが花ではありません。

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甲山キャンプ場周辺のツツジ。



 キャンプ場から0系新幹線には酷な階段をひとのぼりすると西宮市立甲山自然の家です。事務室では職員の方が執務中です。


 こうすけ        「こんにちは。」

 自然の家のスタッフ   「はい。何かご用でしょうか?」

 こうすけ        「別に用なんてないんですけど。」


 全く迷惑な来客ですこと。事務室に掲げられたカレンダーには、これからこの自然の家やキャンプ場を利用する諸団体の名前が並んでいます。せっかくですから質問してみましょう。


 こうすけ        「ここは、個人の利用、例えば家族の旅行などで利用してもいいんですか?市内在住じゃないとだめなんですか?」

 自然の家のスタッフ   「えぇ、利用できますよ。でも市外の方は宿泊料金が倍額になります。」


 ということで、この施設は青少年団体などに限らず広く市民が利用できる訳。それに嬉しいことに市内在住者は特別料金で利用可能!


 こうすけ        「市民税の納税額は利用料金に影響を与えますか?納税額が高いから更に特別割引があるとか?」

 自然の家のスタッフ   「納税額が高い人は割増料金かもしれませんよ。おほほ。」


 当然ながら市民税の納税額云々のやり取りは冗談ですが、納税額が高ければ割引があるという考えと、全く反対に割増になるという考えがあるのは面白いものです。

 就職活動中の学生さん!あなたが会社に入って同じ物を大量受注したとします。販売先からは「大口注文だから安くしてよ。」と値下げを要求されます。あなたならどうする?

 一方、あなたが会社に入って同じ物を大量発注したとします。仕入先からは「同じ物を大量に揃えるのは苦労するんですよ。」と値上げを要求されます。あなたならどうする?

 
 全く反対側から物事を見ることを教えてくれた甲山の言葉を学生諸君よ忘るる勿れ。

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甲山自然の家と甲山自然学習館。



 西宮市立甲山自然の家の前には西宮市立甲山自然学習館があります。この二つの施設と先に通った西宮市立甲山キャンプ場、少し離れた場所にある西宮市立社家郷山キャンプ場の二つのキャンプ場によって甲山自然環境センターは構成されています。

 甲山自然学習館は国内産木材によって建てられ、太陽エネルギー、雨水、地熱を利用したエコハウスです。中には、甲山の成り立ち、周辺に生息する生物や植物に関して様々な展示を通じて学ぶことができます。ニコニコ笑ってスタッフのお姉さんが解説してくれます。最初に見せてもらったのがフタモンウバタマコメツキという名の小さな虫。

 床に置かれるとカチンと固まってしまいます。これは外敵に対して死んだふりをしているとのこと。本当に死んじゃったのかと心配になった頃ピョ~ンと50センチ程飛び跳ねて、思わず声をあげて驚いてしまいます。小さな虫なのに人間を驚かせるとは、なかなか大胆不敵なヤツです。

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フタモンウバタマコメツキは大胆不敵なヤツです。



 またカブトムシの幼虫も大切に育てられています。なんだかとても眠たそうに身体をクネクネさせてます。

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カブトムシの幼虫も大切に育てられています。



 自然学習館のスタッフ   「このヒラタクワガタをご覧ください。元気でしょ。」

 こうすけ         「あれ?4月なのにもう大きくなっているんですか?」

 自然学習館のスタッフ   「ヒラタクワガタは越冬する種なんです。」

 こうすけ         「へぇ~。」

 クワガタはみんなひと夏しか生きることができないと思い込んでいた私、世の中知らないことも多くあるものです。

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成虫になっても越冬するというヒラタクワガタ。



 自然学習館のスタッフ    「このコクワガタも越冬しますよ。」

 そう言って見せてくれたコクワガタ。

 こうすけ          「うわぁ。小さいなぁ!」

 自然学習館のスタッフ    「こちらのミニクワガタはもっと小さいですよ。ほら。」


 コクワガタは知っていたものの、それよりも小さなクワガタがいたとは、、、、、。ヒラタクワガタと並んでもらいますと、同じクワガタの仲間とはとても思えません。大きさを比較すべく1円玉を置いて記念撮影を試みますが、ヒラタクワガタのお行儀の悪いこと、少しはじっとしなさ~い!

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左からヒラタクワガタ、コクワガタ、ミニクワガタ、1円玉。



 その他に標本などで展示されている蝶やトンボ、水槽で飼育されている魚、その巣が展示されている野鳥など、みんな甲山周辺にいる生物とのこと。市街地に近いこの辺りでも、これだけの多種多様な生物が生きているんだと驚くばかりです。


 こうすけ         「こりゃ、虫が好きな子供がここに来たら大喜びですね。」

 自然学習館のスタッフ   「そうですね。でも、大人の方がみなさん結構夢中になっていますよ。」


 そりゃそうだ。元来それほど生物に興味のない(センター試験では渋々「生物」を選択した)文系の私こうすけでも展示物に夢中になっております。


 西宮の市街地から見える甲山、その裏では虫や魚や鳥たちが平和に暮らしているんだなぁと少しメルヘンチックになって自然学習館を出ます。そしてすぐ近くに「みやたんハウス」を発見。あらら、みやたん。こんなとこに暮らしていたのね。あぁ、メルヘンチックが止まらない。早速ハウスを訪ねてみますが、残念ながら人気者のみやたんは街でお仕事中のようで、お会いすること叶いません。

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みやたんハウスは自然の家、自然学習館の近くです。



 小探検を終えて、楽しい思い出を腹に、いや胸に帰宅します。居間でごろんと寝転んで身体の方を見れば、そこにはなんと甲山が!
 立っていると0系新幹線も横になれば甲山に早変わり。もっともこの甲山、どの方向から見ても見苦しいもので、メルヘンチックのかけらもありません。こりゃだいぶまずかろう。




就職活動に疲れたら甲山へ小探検に出かけてリフレッシュしよう!
そして、元気回復したらサクラナビで研究だ!
http://sakuranavi.jp/index.html

# by nishinomiyacci | 2016-04-15 00:09