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休みの日も地元でゆっくり。西宮の週末の過ごし方を紹介します。

こうすけの にしのみや日本酒学校(入学式の巻)

 溜め息がでるほどに美しい青空に覆われた土曜日、西宮神社には笑顔があふれ、楽しい会話は途切れることがありません。

 今年で19回目を迎えた「西宮酒ぐらルネサンスと食フェア」、メイン会場の西宮神社は大盛況で、ずらりと並んだ出店を覗きながら行列は拝殿に続きます。

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参道にはたくさんの愉しい出店があります。



 拝殿の前にはオープニングセレモニーを観覧しようと黒山の人だかりで、私のように背丈に恵まれなかった人は何が行われているのやらさっぱりわかりません。しかたがないので青い空を眺めてみると、神社の柱の赤さがみるみる鮮やかになってきます。その赤さに見入ったあとに再び空を見れば青さは清々しくなります。思わず興奮してしまう光景がそこにはあります。

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何が行われているのやら。



 拝殿ではスペシャルゲストの浜村淳さんが登場。黒山の間から浜村淳さんを垣間見んと体を左右に揺らします。

 そこにはお馴染みの声の浜村淳さんが。

 こうすけ      「ひえ~っ!なんじゃあの服は!」

 ちらりちらりと見える浜村淳さんは空に負けないほどの鮮やかな青い衣装で、凡人には真似できないようなお洒落の最先端を歩んでおられます。しかし、彼を知らない人にあの姿を見せて「あれはおばちゃんや。」と教えたら半数は納得しそうな衣装でもあり、ファッションの究極には性差を乗り越える不思議な力があるのかもしれません。


 こうすけ      「あんな恰好したおばちゃん時々いるよな。僕は絶対無理やな。」

 家内殿       「こうすけさん着たらドラえもんやわ。」


 ファッションの究極には現実非現実の壁を乗り越える不思議な力があるのかもしれません。

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「ありがとう浜村淳です。」



 さて、皆さん。ここで他人の後頭部ばかり見ていても退屈なので、「味わい酒ぐらひろば」に移動します。ここでは飲兵衛さんに飲み助さんが列を作っています。飲み子さんの姿も多く見られるその列は西宮の酒造会社のテントにつながっておりまして、無料で試飲ができるのであります。早速私も試飲カップ片手に列に並びます。

 いよいよテントに行き着きますとカップに日本酒が注がれます。
 
 キュッ!美味い!

 そうしてまた違う列に並びなおす訳でして、それを繰り返すこと幾千度、だんだん気分がよくなってきましたよ。周囲を見渡せば酔いつぶれて警備員に保護されているおっちゃんも。「大将!見事な飲みっぷりでありました。」敬礼をして見送るこうすけさんもかなり酔っているのかもしれません。

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飲兵衛、飲み助、飲み子さん達が試飲の列を作ります。



 すっかりえびす顔で拝殿の方へ戻るとセレモニーは終了したようで、ちょうど帰られる浜村淳さんに握手を求める列ができております。列に並ぶことにすっかり熟練したこうすけさんも迷わず並ぶのでありました。


 こうすけ       「光栄です。」

 浜村淳さん      「飲んではりますか?」

 こうすけ       「えぇ、ちょっとだけですが。」

 浜村淳さん      「もっと飲みなはれや。」

 こうすけ       「隣りにいる家内殿が口やかましいもんでして。」

 浜村淳さん      「奥さん。今日は許したって。」

 家内殿        「はい。」


 神様みたいな浜村淳さん、良いことをおっしゃってくれるじゃないですか。感激のあまり涙がとまりません。


 さて、皆さん。この私こうすけ、今日ここ西宮神社に来たのは酒を飲むためだけではありません。なんと今日は入学式!実は私、ピカピカの1年生なのであります。西宮の日本酒をより詳しく学ぶ場として「にしのみや日本酒学校」という企画があり、今日はその開校式として西宮神社会館で講演が行われます。日本酒学校はその後、月に一度、計4回の講義が白鷹さん、白鹿さん、大関さん、日本盛さんの酒蔵をキャンパスにして行われます。今年で3回目というこの企画は大人気のようで、昨年は定員30名に対し186人の入学希望者があったとのこと。入学試験があるならば入学希望者は毎夜喜んで受験勉強?に励むのでしょうが、残念ながら入学者は抽選で選ばれるそうです。ただ開校式(入学式)は先着100名に限り参加可能で、西宮神社会館の福・寿の間は学びの場となります。

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今日は「にしのみや日本酒学校」の入学式。



 家内殿       「本当に入学するの?」

 こうすけ      「論語に『学びて思わざれば、則(すなわ)ち罔(くら)し。思いて学ばざれば、則ち殆(あや)うし。』という教えがありましてな。知識を得ても思うことがなければその生かしようが分からないし、いろいろ思っても知識がなければ独善的になってしまうという意でしてな。この酒はああだこうだと語ってみてもきちんとした知識に裏付けされていないと殆うい訳ですよ。だから日本酒学校できちんと日本酒のことを学ぼうというのが志望理由よ。」

 家内殿       「ふ~ん。」

 こうすけ      「学ぶって素晴らしいなぁ。」


 学生時代、法学部にいながら六法全書を枕にして、よだれ垂らして居眠りしていた人とは思われない変貌ぶりであります。


 時間になり開校式(入学式)が始まります。私を含め入学希望者の大半はこの時点ですでにお酒が入っている状態と思われますが、こんな入学式があっていいのでしょうか。いやいや、実に結構!日本酒学校の学風に沿っているのであります。

 まずは校長先生(辰馬章夫西宮商工会議所会頭)のご挨拶から。校長先生は「国の力は武力ではなく文化の力である。日本酒もその一翼を担っており、世界に向けてこの日本酒文化を広めてほしい。」と熱いメッセージを述べられ、入学希望者は揃って背筋がピンと伸びたのであります。

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入学式は厳粛な雰囲気のもとで挙行されます。



 校長先生のご挨拶のあとは、「世界のなかでの日本酒」という題の講演が行われます。お話しいただくのは国立民族学博物館名誉教授の石毛直道先生。世界のお酒を製造法により分類した資料が事前に配られています。なんでもお酒は糖分の酒と澱粉の酒に大きく分類されるそうで、ワインは前者で日本酒は後者のほう。米を糖化させるために麹というカビが使われるのが日本酒の特徴、東アジアでは澱粉質を糖化させるのにカビを使うのに対し、ヨーロッパでは発芽を利用するそうで、ビールがそれに該当します。南米では唾液により糖化させる方法があるそうで、この原始的な酒なら自宅で試作可能でしょうが、税務署が来る前に家内殿が怒りそうです。

 酒にまつわる面白い話が続くのですが、時折「ア~~~ッ」とあくびの声が聞こえます。やはり酒を飲んで学習というのは理に適(かな)っていないようで、よく見ると中には熟睡の御仁もおられます。そんなことでは抽選に漏れますよ。

 講演の最後に先生から大切なメッセージがありました。

 石毛先生        「最近は若者の酒ばなれ、とりわけ日本酒ばなれが顕著になっております。どうか皆さん、若い人にどんどん日本酒をすすめて下さい。」


 よく分かりました。私も後進には浜村淳さんのような笑顔で「もっと飲みなはれや。」と言ってまわります。

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事前に配られた石毛先生のレジュメ。



 さて、皆さん。これで開校式(入学式)は終わったのですが、次回11月に行われる第一回目の白鷹さんでの講義は、抽選で選ばれた人しか受講できません。会館を出ると相変わらず大人気のみやたんがチビっ子たちに囲まれております。その近くには「ふくみみ福ちゃん」という西宮中央商店街のゆるキャラが同じくチビっ子たちに囲まれています。なんでもその大きな福耳には鈴があってそれを鳴らすとご利益があるそうです。よし!正式に入学できますように。チビっ子たちをかきわけ福ちゃんの耳の鈴を鳴らします。

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西宮中央商店街のゆるキャラ「ふくみみ福ちゃん」。



 「西宮酒ぐらルネサンスと食フェア」はまだまだ盛り上がっています。入学祈願も終わったことですし再度試飲コーナーへ。「学びて思わざれば」ならぬ「学びて飲まざれば」なる勝手な教えに従いましてもう少し飲むことにいたしましょう。浜村淳さんや石毛先生はこんな私をお許しになっても孔子様はお怒りかもしれません。





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by nishinomiyacci | 2015-10-05 23:37