こうすけの ドキドキワクワクにしのみや劇場
「この秋この街の劇場でイルデブランド・ダルカンジェロがドン・ジョヴァンニを歌うらしいぞ。」
こういう会話が聞かれたのは、モーツァルトゆかりの音楽の都ウィーンでも、スカラ座の天井桟敷にオペラ好きが連日通うミラノでも、豪華絢爛なメトロポリタン歌劇場を有するニューヨークでもなく、なんと西宮の街角でのこと。
イルデブランド・ダルカンジェロはイタリアのバリトン歌手で、モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」のタイトルロールを歌わせたら現代最高と言われる歌手です。兵庫県立芸術文化センターの大ホールでこの9月に英国ロイヤルオペラの来日公演が行われるのですが、それにダルカンジェロが出演するのです。ダルカンジェロのドン・ジョヴァンニを聴くことができるなんてウィーンでも、ミラノでも、ニューヨークでもそうそうない話。西宮ってなんだかすごい街だぞ。

ダルカンジェロが西宮でドン・ジョヴァンニを歌う!
英国ロイヤルオペラは23年ぶりの来日で前回は平成4年。その時の関西での公演は大阪のフェスティバルホールで行われ、当時高校生だった私こうすけも一番安いチケットを購入して人生初のオペラ鑑賞をしたのでした(←自慢)。今回西宮の劇場での公演でもあることから二番目に安いチケットでも購入して観に行きたかったのですが、抜けれない用事がございまして涙が止まりません。
でもこの西宮の自慢といっていい劇場には今後も世界の一流音楽家が公演を行うのでしょう。そう思えばなんだか愉しくなってきます。

西宮の自慢といっていい兵庫県立芸術文化センター。
前回西宮でおもてなしをしたセバちゃんに西宮の素敵なところを聞いてみますと、「劇場や映画館がある」という答えが返ってきました。兵庫県立芸術文化センターの近くには阪急西宮ガーデンズがあり、その中には映画館もあります。それも街の魅力なのかと思いながらも映画にはあまり興味のない私。そんな私でも「阪急電車~片道15分の奇跡~」という映画はテレビで観ましたよ。知っている場所が映画で描かれていて興味深かったものです。
うむうむ、ひょっとしたら何か奇跡が起きるかも!?
阪急西宮北口駅の改札を抜け宝塚ゆきのプラットホームに向かいます。

学生さんが多い阪急今津線の宝塚ゆきの電車。
沿線に学校が多くあるため学生を中心に車内は混雑しております。門戸厄神、甲東園を経て仁川を渡り、馬が呼び込む奇跡を信じておっちゃんが乗り降りする仁川駅に。ここからは宝塚市内になります。映画のように花嫁衣裳をまとった美人が乗ってくるような奇跡は起きず電車は武庫川の鉄橋を渡り宝塚駅に到着です。
宝塚も言わずと知れた歌劇の街ですが、「こっちはダルカンジェロだぜ!」などと鼻を高くして改札を出ます。しかし、ダルカンジェロは1日だけの話、宝塚は連日公演が行われている訳でして、これは西宮には無いこの街の魅力です。

連日華やかな公演が行われる宝塚大劇場。
駅の周りをうろうろしてみますが、おっと!あぶない!それでは「こうすけの宝塚散歩」になっちゃうじゃないですか。
それではいけませんので船坂を経由して有馬温泉に向かう阪急バスに乗りましょう。

船坂経由で有馬温泉に向かうバス。
幸いにもバスは出発してすぐに西宮市に入ります。武庫川を越え、大多田橋の三叉路を左折、大多田川に沿ってバスは山の中に入っていきます。この道は有馬街道と呼ばれ豊臣秀吉も有馬温泉に行く際通った道だとか。車内にも有馬温泉へ向かう観光客の姿が多く見られます。
さてさて、私こうすけめは途中の「知るべ岩」というバス停で途中下車。このバス停にはベンチも何もなく、ただ標識が道路脇にポツンと立っているだけ。大型トラックなどが猛スピードで通り過ぎると生きた心地がしない恐怖のバス停であります。

恐怖のバス停「知るべ岩」。
昔ひとりの座頭が道に迷い行き倒れたそうで、豊臣秀吉が以後旅人が迷うことないようにと置いた石標が知るべ岩。座頭が迷ったとされる谷は座頭谷と呼ばれます。バス停近くには曲線を描いた砂防堰堤があり、その上部は歩道になっております。あとで調べたところ通称を万里の長城というらしく上手いこと表現する人がいたものです。

こうすけ 万里の長城を歩く?
実は蓬莱峡を見ようと思って来たのですが、万里の長城の先は座頭谷に続くようで、これでは蓬莱峡から遠ざかっていきます。なんだなんだ、私も迷ってるじゃないか。来た道を引き返し有馬街道を西へ歩きます。緑の中に化粧をしたかのように白い岩が浮かび上がる不思議な光景の蓬莱峡が見えてきました。
蓬莱峡の白い岩肌が見えてきました。
あの奇岩を間近で見てみたい!近くに行く道はないだろうか?有馬街道が右に大きくカーブする辺りで意味深な道を発見!道の入口には謎の石像が待ち構えます。なんだかドキドキしてきましたよ。

謎の石像が待ち構える意味深な道。
石像が動いたりしゃべったりしたらオシッコちびるだろうなぁ。石像の横を息を殺してなんとか通過、心臓バクバクです。真っ赤な彼岸花が傍らに咲く道を100メートルほど進むと、そこにはなんと驚きの光景が!!
えっ!?ブルートレイン???

えっ!?なんで山の中にブルートレインが?
全く理解できない風景の中にいると恐怖心と冒険心が絡み合って身を包みます。この場所からも蓬莱峡の白い岩肌が見えるのですが、まだまだ遠い。周囲をくまなく探しますとけもの道を発見。そこには知るべ岩ならぬ知るべ板があり貴重な情報が得られました。

「川の上流20m対岸上ると蓬莱峡屏風岩」
マムシが出てきませんようにと祈りながらけもの道を進むと川に出ます。先程の知るべ板には「対岸上る」とありましたので渡るしかないでしょう。当然ながら橋はなく、長い足を駆使して飛び石伝いに川を渡ります。

濡れることも覚悟せねばなりません。
川の右岸を上って行くと砂防ダムがあり、それを左側から巻いて乗り越えますと圧巻の光景が広がります。目の前には風化浸食された花崗岩の塊が冷たく立ちはだかり、なんだか別の惑星にたどり着いたかのようです。岩陰から何者かがこちらを窺っているんじゃないかなどと想像すると、怖くなって逃げ出したくなるような光景です。

ここは本当に地球なのか?西宮なのか?
この不思議な光景は、黒澤明監督の映画「隠し砦の三悪人」という映画の撮影地となりました。ここで世界のクロサワや世界のミフネが映画を作ったのだと思えば、映画好きでなくとも「隠し砦の三悪人」を観てみようかと思います。
ちょっとしたドキドキワクワクの冒険は蓬莱峡の奇岩を間近で見ておしまい。おしまい。残念ながら金銀財宝というような奇跡は起こりませんでした。
世界の名門オペラハウスの公演が行われるような立派な劇場を持つ西宮は、様々な映画の舞台にもなっている訳でして、そう考えると街全体がなんだか大きな舞台を持つ劇場のように思われてきます。今回私こうすけはその舞台でインディージョーンズのような?冒険劇を演じたのですよ。さて次はどこで何を演じましょうか?

山賊が隠れていたりして。
追伸 謎の石像からブルートレインの一帯は海山コンクリート㈱さんの私有地です。電話で確認しましたらハイカーの人がよく通られますと通行を暗黙のうちに認められているようですが、あくまで私有地ですので律儀なあなたは事前に連絡したほうがいいかもしれません。
ドキドキワクワクにしのみや劇場で主役を演じてみたいキミは西宮での就職を考えてみよう。
サクラナビを今すぐチェックだ!!
http://n-cci.or.jp/sakuranavi/
こういう会話が聞かれたのは、モーツァルトゆかりの音楽の都ウィーンでも、スカラ座の天井桟敷にオペラ好きが連日通うミラノでも、豪華絢爛なメトロポリタン歌劇場を有するニューヨークでもなく、なんと西宮の街角でのこと。
イルデブランド・ダルカンジェロはイタリアのバリトン歌手で、モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」のタイトルロールを歌わせたら現代最高と言われる歌手です。兵庫県立芸術文化センターの大ホールでこの9月に英国ロイヤルオペラの来日公演が行われるのですが、それにダルカンジェロが出演するのです。ダルカンジェロのドン・ジョヴァンニを聴くことができるなんてウィーンでも、ミラノでも、ニューヨークでもそうそうない話。西宮ってなんだかすごい街だぞ。

ダルカンジェロが西宮でドン・ジョヴァンニを歌う!
英国ロイヤルオペラは23年ぶりの来日で前回は平成4年。その時の関西での公演は大阪のフェスティバルホールで行われ、当時高校生だった私こうすけも一番安いチケットを購入して人生初のオペラ鑑賞をしたのでした(←自慢)。今回西宮の劇場での公演でもあることから二番目に安いチケットでも購入して観に行きたかったのですが、抜けれない用事がございまして涙が止まりません。
でもこの西宮の自慢といっていい劇場には今後も世界の一流音楽家が公演を行うのでしょう。そう思えばなんだか愉しくなってきます。

西宮の自慢といっていい兵庫県立芸術文化センター。
前回西宮でおもてなしをしたセバちゃんに西宮の素敵なところを聞いてみますと、「劇場や映画館がある」という答えが返ってきました。兵庫県立芸術文化センターの近くには阪急西宮ガーデンズがあり、その中には映画館もあります。それも街の魅力なのかと思いながらも映画にはあまり興味のない私。そんな私でも「阪急電車~片道15分の奇跡~」という映画はテレビで観ましたよ。知っている場所が映画で描かれていて興味深かったものです。
うむうむ、ひょっとしたら何か奇跡が起きるかも!?
阪急西宮北口駅の改札を抜け宝塚ゆきのプラットホームに向かいます。

学生さんが多い阪急今津線の宝塚ゆきの電車。
沿線に学校が多くあるため学生を中心に車内は混雑しております。門戸厄神、甲東園を経て仁川を渡り、馬が呼び込む奇跡を信じておっちゃんが乗り降りする仁川駅に。ここからは宝塚市内になります。映画のように花嫁衣裳をまとった美人が乗ってくるような奇跡は起きず電車は武庫川の鉄橋を渡り宝塚駅に到着です。
宝塚も言わずと知れた歌劇の街ですが、「こっちはダルカンジェロだぜ!」などと鼻を高くして改札を出ます。しかし、ダルカンジェロは1日だけの話、宝塚は連日公演が行われている訳でして、これは西宮には無いこの街の魅力です。

連日華やかな公演が行われる宝塚大劇場。
駅の周りをうろうろしてみますが、おっと!あぶない!それでは「こうすけの宝塚散歩」になっちゃうじゃないですか。
それではいけませんので船坂を経由して有馬温泉に向かう阪急バスに乗りましょう。

船坂経由で有馬温泉に向かうバス。
幸いにもバスは出発してすぐに西宮市に入ります。武庫川を越え、大多田橋の三叉路を左折、大多田川に沿ってバスは山の中に入っていきます。この道は有馬街道と呼ばれ豊臣秀吉も有馬温泉に行く際通った道だとか。車内にも有馬温泉へ向かう観光客の姿が多く見られます。
さてさて、私こうすけめは途中の「知るべ岩」というバス停で途中下車。このバス停にはベンチも何もなく、ただ標識が道路脇にポツンと立っているだけ。大型トラックなどが猛スピードで通り過ぎると生きた心地がしない恐怖のバス停であります。

恐怖のバス停「知るべ岩」。
昔ひとりの座頭が道に迷い行き倒れたそうで、豊臣秀吉が以後旅人が迷うことないようにと置いた石標が知るべ岩。座頭が迷ったとされる谷は座頭谷と呼ばれます。バス停近くには曲線を描いた砂防堰堤があり、その上部は歩道になっております。あとで調べたところ通称を万里の長城というらしく上手いこと表現する人がいたものです。

こうすけ 万里の長城を歩く?
実は蓬莱峡を見ようと思って来たのですが、万里の長城の先は座頭谷に続くようで、これでは蓬莱峡から遠ざかっていきます。なんだなんだ、私も迷ってるじゃないか。来た道を引き返し有馬街道を西へ歩きます。緑の中に化粧をしたかのように白い岩が浮かび上がる不思議な光景の蓬莱峡が見えてきました。

蓬莱峡の白い岩肌が見えてきました。
あの奇岩を間近で見てみたい!近くに行く道はないだろうか?有馬街道が右に大きくカーブする辺りで意味深な道を発見!道の入口には謎の石像が待ち構えます。なんだかドキドキしてきましたよ。

謎の石像が待ち構える意味深な道。
石像が動いたりしゃべったりしたらオシッコちびるだろうなぁ。石像の横を息を殺してなんとか通過、心臓バクバクです。真っ赤な彼岸花が傍らに咲く道を100メートルほど進むと、そこにはなんと驚きの光景が!!
えっ!?ブルートレイン???

えっ!?なんで山の中にブルートレインが?
全く理解できない風景の中にいると恐怖心と冒険心が絡み合って身を包みます。この場所からも蓬莱峡の白い岩肌が見えるのですが、まだまだ遠い。周囲をくまなく探しますとけもの道を発見。そこには知るべ岩ならぬ知るべ板があり貴重な情報が得られました。

「川の上流20m対岸上ると蓬莱峡屏風岩」
マムシが出てきませんようにと祈りながらけもの道を進むと川に出ます。先程の知るべ板には「対岸上る」とありましたので渡るしかないでしょう。当然ながら橋はなく、長い足を駆使して飛び石伝いに川を渡ります。

濡れることも覚悟せねばなりません。
川の右岸を上って行くと砂防ダムがあり、それを左側から巻いて乗り越えますと圧巻の光景が広がります。目の前には風化浸食された花崗岩の塊が冷たく立ちはだかり、なんだか別の惑星にたどり着いたかのようです。岩陰から何者かがこちらを窺っているんじゃないかなどと想像すると、怖くなって逃げ出したくなるような光景です。

ここは本当に地球なのか?西宮なのか?
この不思議な光景は、黒澤明監督の映画「隠し砦の三悪人」という映画の撮影地となりました。ここで世界のクロサワや世界のミフネが映画を作ったのだと思えば、映画好きでなくとも「隠し砦の三悪人」を観てみようかと思います。
ちょっとしたドキドキワクワクの冒険は蓬莱峡の奇岩を間近で見ておしまい。おしまい。残念ながら金銀財宝というような奇跡は起こりませんでした。
世界の名門オペラハウスの公演が行われるような立派な劇場を持つ西宮は、様々な映画の舞台にもなっている訳でして、そう考えると街全体がなんだか大きな舞台を持つ劇場のように思われてきます。今回私こうすけはその舞台でインディージョーンズのような?冒険劇を演じたのですよ。さて次はどこで何を演じましょうか?

山賊が隠れていたりして。
追伸 謎の石像からブルートレインの一帯は海山コンクリート㈱さんの私有地です。電話で確認しましたらハイカーの人がよく通られますと通行を暗黙のうちに認められているようですが、あくまで私有地ですので律儀なあなたは事前に連絡したほうがいいかもしれません。
ドキドキワクワクにしのみや劇場で主役を演じてみたいキミは西宮での就職を考えてみよう。
サクラナビを今すぐチェックだ!!
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by nishinomiyacci
| 2015-09-25 00:03