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休みの日も地元でゆっくり。西宮の週末の過ごし方を紹介します。

こうすけの 夙川さくら紀行

 予報では天気はこれから下り坂とのこと。

 午前中は青空に覆われていたものの午後になって白い雲に覆われるようになってしまいました。一年のうちでこの時期ほど人が雨を願わない日々はないことでしょう。しかし、人の願いも天に届くかどうかは未知数でありますから、雨の降る前に出かけておきましょう。

 阪急苦楽園口駅東の夙川に架かる橋からは、桜や松の向こうに西宮のシンボルでもある甲山が一望でき、多くの人がカメラでその風景を納めております。

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桜の夙川の向こうに甲山が見えます。



 阪急苦楽園口駅からは電車が到着する度にどっと花見客が溢れ出てきて夙川公園へと列が続いていきます。

 それにしても美しい桜の花。これでもかと枝いっぱいに無数の花をつけ、見る人を圧倒します。息が止まってしまいそうな美しさ。ついひと月前には寒々と枝だけが空に描かれていたとは思えぬ光景です。

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今が盛りと咲き誇る桜の木。



 圧倒されるような桜の花々もその一つ一つを見れば可憐なものです。止まっていた息がため息に変わりそうな美しさです。

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可憐な桜の花。



 夙川公園では至るところでお花見が行われています。新入生や新入社員の歓迎会も兼ねて行われているのでしょうか。

 
 若手サラリーマンにとってお花見の場所取りというのは定番の業務のようで、かくいう私も若かりし頃、ここ夙川公園で場所取りを命じられたのでした。お花見当日、朝早くにシートを抱え夙川公園に行き場所を選定します。その後一日昼寝をしとけと業務命令が下れば喜んでその任を全うするのですが、残念なことに日中は会社に戻らなければなりません。無人のままでは心配なので「〇○大学相撲部」とハッタリの張り紙をして場所が横取りされるのを防いだのは機知というものです。

 一同よりも若干早く現場に向かい張り紙をクシャクシャ丸めてポケットに。これで社内コンプライアンスも克服。

 支店長         「おぉ、こうすけ君でかしたぞ。」

 サラリーマンこうすけ  「ありがとうございます!!」


 そんな絶好調のこうすけさんでしたが、知らない言葉がありまして、それは「パンツルック」という言葉。

 お花見の前日の朝礼にて

 女子社員        「明日はお花見ですので定時退社でお願いします。それと女子社員はパンツルックでお願いします。」

 サラリーマンこうすけ  「(なに!?パンツルック?パンツが見える?春といえどもえらいサービスやなぁ。ムフフッ。)」

 
 しかし、「パンツルック」とはズボンで来てくださいという意味だったらしく、それは本物のパンツがルックされないためのもの。不埒なこうすけの淡い期待は花と散ったのでありました。

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お花見はパンツルックでお願いします。



 そんなこんなのお花見の思い出に浸りながら南へ歩いていきます。あちらこちらで大小様々な宴が催されています。ビールあり、ワインあり、日本酒あり。えぇなぁ。花に酔い、酒に酔い、仲間との語らいに酔いたいものです。


 しかし、地元の民ゆえに気になることもございまして。そこで楽しそうに笑っておられるお嬢さん。貴女のもたれているその桜の木は、〇○町の××さんちの犬がお散歩中にオシッコする木でして、、、、。

 そんなことは黙っておきましょう。

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写真の桜の木と本文の内容は関係ありません。



 阪急夙川駅の近くまで下ってきて来た道を振り返ると桜もさることながら松の緑の美しさにも心惹かれます。松樹千年の翠といってこちらは不変の美しさ、いっぽう桜は散ることが前提の移ろいゆく美しさ。夙川ではその相反する二つの美しさが調和しております。

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松と桜の美しさが調和します。



 さらに南へ進み、水辺近くの歩道を歩きます。早くも散った桜の花びらが川面に浮かび、ゆったりと流されていきます。また一枚花びらが音も立てず水に落ちました。夙川という小さな川はどれだけの花を海へ運ぶのでしょうか。

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また一枚花びらが水に落ちていきます。



 国道2号線に架かる橋からは大勢の人達がカメラを構えています。この人達は桜の花を撮っているというよりは、電車の写真を撮っているようで、桜はあくまで脇役なのかもしれません。三脚まで用意している本格的な人もいます。カメラを構える人は電車が通り過ぎる一瞬に集中しているのでしょうが、電車に乗っている人も夙川を通過する際に桜を見ようとその一瞬に集中していることでしょう。一瞬と一瞬が彼我の間で光も音も発せずぶつかりました。

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電車の通り過ぎるその一瞬に集中します。



 国道2号線を東に進みます。やがて小さい道路の合間から桜の木が見えたので行ってみますと、そこは阪神電車の高架脇にある公園でして、その狭い公園は花の屋根を有しているかのようです。ここで宴を開くような人はおらず、キャッキャキャッキャという遊んでいる子供の声だけが花にとけていきます。

 この公園の南側には昔阪神電車の線路がありまして、私が今立っている場所からなら電車と桜のベストショットが撮れるはずですが、今では電車がここを通ることはなく、残された踏切の警報器だけがかつてここに線路があったことを物語ります。

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踏切がかつて線路があったことを物語ります。



 公園からさらにぶらぶら歩いていくと、お寿司屋さんがちょうど開店時間になったらしく暖簾がかけられました。本日一番の客になるのも悪くないなと思い立ち暖簾をくぐります。


 しかし、小さな店内にはすでにおじさんが一人カウンターに座っております。朝早くから場所取りをしていた訳ではないでしょうが、きっと常連さんなのでしょう。どこかの大学の相撲部が中で宴会などしていたらこちらは萎縮してそのまま外へ出るところですが、そういうことはないようでおじさんと間隔をあけてカウンターに座ります。

 子供の頃、桜の花びらはピンク色だと思って絵にもそう描いたはずですが、不思議なことに年を重ねるに連れ次第にその色は白く思うようになりました。しかし、酒の肴に頼んだイカのお造りと比べると桜の花は白いとは言えませんねぇ。杯に花びらが落ちることはないもののデジタルカメラに保存された今日の夙川の桜の画像を見つつ熱燗をチビリチビリ。それにしてもイカのお造りにはちょっとだけとはいえどもウニもついており、春といえどもえらいサービスです。

 少しほろ酔いになってきた頃、人が願いもしなかった雨が降り始めたようです。

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やはりイカと比べたら桜は白くないなぁ。





地元企業に就職して夙川公園でお花見を希望する学生諸君はサクラナビをチェックだ!!
http://n-cci.or.jp/sakuranavi/



by nishinomiyacci | 2015-04-09 22:27